SESエンジニアが解雇される要因は本当にスキル不足が原因なのか

SES

「SESは不安定な職種」、「コロナにより、派遣切り」など、ニュースでよく見られるようになりました。

また、SNSなどでは実際に現場で働いている方が「最悪。。リストラにあった。。」、「会社の理不尽な解雇を受けた」などネット上で溢れかえっています。
これからSESに就職しようと検討している方や、現場を変えようとしている方にとって、不安な状況下と思われます。

上記のように派遣切りや解雇される要因としては主にスキル不足、つまり会社に利益を与える人ではないということです。

ただ、極論を言ってしまえば、この業界スキルさえあれば問題ないともいえます。

この社会は実力社会・弱肉強食の世界です。

ITに限った話ではありませんが、強い人が生き残るのです。

本当にそうでしょうか?

結論から申し上げると、解雇・派遣される要因はスキル不足だけではありません。

今回はSESエンジニアが解雇される要因、解雇されない具体的な解決策をご紹介させていただきます。

SESができた背景

経緯の意味とは?経過・背景との違いは?例文・読み方を徹底解説!

SESエンジニアが解雇される要因は何なのか整理するには、
そもそもSESがどのようにして生まれたのが知る必要があります。

本来、会社独自のシステムやアプリケーションの内部を派遣された人(他の会社の人)が関わることは、他国ではありえないことです。

というのも、派遣された人が利益目的で常駐先の技術を盗むことが可能だからです。
勿論、対策として秘密保持契約を結んだうえで派遣されますが、あくまで外部に持ち込みはできないなど表面的なものであり、内部のことは誰にも分かりません。

そういうことがSESにあまり良いイメージを持たれていなかったり、SESはブラックなどと表現される所以かと思われます。

では、なぜ日本のみこのような契約が生まれたのでしょうか。

遡ると1990年代になります。
90年代初頭にはバブルが崩壊し、日本は急激に景気が後退してしまいました。

その時代ではコロナ時期と同様に、企業は予算的に正社員の採用が難しい状況に陥っておりました。

しかし、自社開発や受託開発は進めていかなきゃいけない。。

そういったジレンマを引き起こしている中でSESは誕生しました。

安い予算で開発メンバーを補充できるので、IT企業にはとても重宝される業界になっていきここまでに至ります。

SESの仕組み

上記ではSESというサービスが誕生した背景について、ざっくりとご説明させていただきました。

利用する側にとってはとても便利なサービスであり、SESで派遣される人にとっても様々な現場の開発で経験を積むことができスキルを高めることができるので聞こえはとてもいいです。
しかし、SESは仕組み的に大変なところもいくつか存在します。

次の章では、具体的に何が大変なのか解説していきます。

・予算都合で契約打ち切り

仕様が決まらなかったり、お客様都合で参画したプロジェクトにて想定していた工数よりも多くなってしまいリリース日が遅れるケースが存在します。

その際には元々決まった契約期間ではリリースできないので、SESの営業さんとプロジェクト先の責任者の間で派遣された人の契約を延長するかしないか話し合いが行われます。

そのため、どれだけスキルがあったとしても予算的に難しい場合は残念ながら、プロジェクト自体は継続されているものの、契約の延長はせずに人員を削減したりする事があります。

プロジェクトの予算は予め決められているので、予算がオーバーしてしまう場合は人件費を削るしかないのです。

・プロジェクトが完了次第、契約終了
正社員の場合、プロジェクトが完了しても他の進行中のプロジェクトに配属することがありますが、SESの場合は契約終了を意味します。

そのため、再度他の会社にて募集を行っている案件に応募して面談を行う形になりますので、言葉は悪いですが使い捨てになることが殆どです。

まれに参画していたプロジェクト先の会社から他の案件を紹介されて他の案件を探す必要が無くなることはありますが、大きな会社に限られます。

また、そういった案件のことをスライド案件と言いますが、テストや保守などあまり好条件でない内容になるので、担当の営業さんが引っ張ってくる案件を狙いに行ったほうが良いでしょう。

・低賃金

上記で申し上げたように、SESで派遣されるのは使い捨て商品と近いので、必然と低賃金になってしまいます。

勿論、スキルが高い場合は高単価な案件を紹介されますが、未経験や開発経験が短くスキルがまだ乏しい時には低単価な案件に参画することになるでしょう。

また、SES会社同士で案件の横流しをしている所もあり、そちらの案件に参画することになった場合、紹介料(マージンが)が引き抜かれるため単価自体は高くても手元に入る給料は少なくなってしまいます。

SESで解雇される要因

目標未達の理由・原因とは? 未達だった部下にどのようにフィードバックすべきか - カオナビ人事用語集

上記で申し上げたように、SESの仕組み上どれだけスキルがあっても契約が終了してしまうことは多々あります。

ただ、契約期間内にも拘わらず契約終了してしまうのは、恐らく派遣された人の責任が大きいです。

そこで契約期間内であっても、契約が終了してしまう人の特徴をここでは記載していきたいと思います。

勤怠面

初めに挙げられるのが勤怠面です。

当たり前の話ではありますが、遅刻や無断欠席などが多い場合、何か作業をお願いする際には決められた出勤日に出社する事が前提です。

しかし、次の日に出社するかどうか不安な人に作業をお願いするわけにはいきません。

それは、どれだけスキルがあった人であっても同じことです

採用者側の目線に立って考えれば分かることですが、遅刻や無断欠席などが多い人を採用したくありません。

スキル、コミュニケーション

こちらも上記の様に、基本的なプログラミングスキルが備わっていなかったり、報連相がきちんとしていなかった場合、スムーズに開発を進めることができません。

案件の内容にて「未経験OK」といった内容もありますが、あくまで現場の開発経験がない方を指します。

変数や関数など基本的な構文が分からない方を指しているわけではございません。

あくまでSESとはエンジニアさんをレンタルするサービスであり、教育目的ではないのです。

勿論、社内の独自のサービスなどを使用している場合、分からない事は教えてくれますが、プログラミンング言語の文法であったり、Gitなどの幅広く使用されているツールにおいては分からない箇所は自分で調べ解決する必要があります。

何でもかんでも教えてくれると思い、受動的な体勢でいますとお客様目線において「この人は簡単なことしかやってくれない。。」と悪い印象を与えてしまいます。

そこの認識のズレにより途中で契約が切られてしまう方もいらっしゃいます。

自分を客観視できていない

また、SESに限らず社会人として仕事する上で大事な自分を客観視できていない方も途中で契約終了してしまう理由として挙げられます。

抽象的な事で少し難しいですが、例えば色々な現場を経験された際に自分のスキルがどれくらいかある程度把握することが可能かと思います。

その時にまた新しく配属された現場にて自分が足りない技術が何なのか、自分ができることは何か状況を整理し作業に取り掛かることができます。

しかし、そういった自分のスキルがどの程度なのか把握しておらず、お客様が要望とする開発に対応できてなかったり、ご迷惑をお掛けするにことなるでしょう。

また、現場経験が多くない方であっても自分のスキルでは対応できないと分かった時点でお客様に率直にお伝えすることで未然に上記のようなトラブルを防ぐことができます。

勿論、今の自分のスキルでは難しそうだが同じプロジェクトの開発メンバーなど少し人の力を借りればできそうな内容である場合、チャレンジしてみることも自分のスキル向上という目的では良い選択ですが、
そういった判断が難しい場合は納期やプロジェクトの進捗率など考慮して考えて行動することをお勧めします。

解雇されない人材になるには

日々の生活で意識する「改善」|ホームページ制作、Webマーケティング|株式会社SPC

上記にて、契約期間内でも途中で解雇されてしまう人の特徴をご紹介しました。

もし、上記にて自分が該当しているなと感じられた場合は見直していただけると良いでしょう。

基本的には上記のことで常駐先もしくは所属会社の方から注意など受けていないのであれば、心配する必要はないかと思います。

私個人の意見ではございますが、派遣される身としてお客様と長期的に良好な関係を保つには「この人は信頼できる人だ」と思われることが一番大事です。

そのため、この章ではスキル不足であっても信頼される人、解雇されない人の特徴を挙げてこの記事を終えたいと思います。

報連相の徹底

兎にも角にも、報連相を徹底しましょう。

正直なところ、報連相だけ意識することで解雇されることはないと考えております。

例えば、スキルが少し足りていないと感じた場合、お客様もしくは同じ開発メンバーに「この開発では自分のスキルでは難しい」といった趣旨を伝えることで、教えてもらいながら開発に取り組めたり、違うタスクを振ってもらえます。
(※2-2. スキル、コミュニケーションの項目でもお伝えしましたが、基礎的なプログラミングスキルは必要になります。)

そういった相談もなく開発に取り組み、結局何も出来なかったといったトラブルも回避することが可能です。

勿論、読者の中では「誰の力も借りずに取り組んでみたい!」と思う方もいらっしゃるでしょう。

プロジェクトでメンバーが自分のみ、自力で解決をする意味ではとても良いのですが、殆どの現場では大抵チームでの開発になるかと思います。

チームでの開発の場合は一人ひとりに作業が割り振られてはいるものの、分からない箇所は都度ベテランのエンジニアさんからアドバイスをもらうのがベターです。

仮に自力で解決できればそれに越したことはないのですが、誰にも相談・アドバイスを求めず刻々と時間が経過し進捗が著しい時は他のメンバーがヘルプに回るなどして対応する必要があり、余分な工数を掛けてしまいます。

なので、自分で分からない箇所は時間を決めて調べ解決できそうにない場合は周りの人の力を借りるようにしましょう。
現在はコロナにより、リモートワークも増えていますので、SlackやMicrosoft Teamsなどのチャットツールにて質問することも多いです。

文章形式で質問や相談する事も大事なスキルですので、身につけておきましょう。

自分がベテランエンジニアに質問する際に参考にしていたリンクをこちらに貼っておきます。
https://qiita.com/seki_uk/items/4001423b3cd3db0dada7

プログラマーに嫌われない質問術!プログラミングスキルアップに繋がる最高の質問のための3ポイントを紹介
こんにちは、プログラマーのとだこうきです。 本記事では、プログラミングに関する質問の仕方を説明していきます。 プログラミングの勉強を始めた方で「動きません!」や「分かりません!」のような適当な質問をし

また、社内独自のコーディングする際のルールや開発ツールの使い方がある場合もありますので、事前にドキュメントやプロジェクト担当者に確認するようにしましょう。

他にも開発を円滑進められるように配属が決まり次第、プロジェクトメンバーとコミュニケーションをとることも報連相として大切です。

仲良くなっておけば、小さな相談やミスでも寛容的になって真摯に対応してくれます。

「話すのが苦手。。」という方もいらっしゃると思います。

無理に笑いを取ろうとしたり、積極的になる必要はありません。

人の話をしっかりと聞くことで、こちらから聞きたいことも出てくると思いますし、相槌や表情などを用いて「あなたのことが知りたい」と感じてもらえるような行動さえとっていただければ、必然と信用とされる人になるでしょう。

転職も視野に入れる

もし、短期間で解雇されたくない方は転職を考えることをお勧めします。

冒頭でも説明させていただいたように、SESの仕組み上こちらが希望していなくても契約が終了してしまうケースが存在します。

私自身の実体験ですと、仕様が全く決まらず開発期間が想定よりも長くなってしまい、契約している期間内では開発が間に合わないといったことがありました。

本来であれば、契約を延長していただき開発を行うのですがプロジェクトの予算が決められており予算オーバーということで人員削減を余儀なくされ、自分がその一人でした。

なので、長期的に現場にて開発を行いたい場合はSES以外の企業に転職することをお勧めします。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回はSESエンジニアが解雇される要因、解雇されない具体的な解決策をご紹介させていただきました。

■ 要因
・SESは仕組み上、派遣切りや契約終了は仕方がない。
・SESは常駐先のプロジェクトの予算で人員削減を余儀なくされる。
・ただ、契約期間内で派遣切りに合う場合、勤怠の不良ややスキル不足、自分のできることできないことを理解できていない。

■ 解決策
・報連相の徹底し、未然にトラブルを回避。
・SES以外の転職を検討。

上記でも申し上げましたが、一番大事なことは「この人は信頼できる人だ」と思ってもらえることを心掛けて仕事に取り組んで頂ければ大丈夫です。

最後までご拝読いただき、ありがとうございました!

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